握力平均はおかしい?
平均握力の表そのものがおかしい
よく目にする平均握力の表があるのだが、そもそもこの表は、19歳まで1年きざみで作られている。
そこからなぜか、20歳から24歳という4年きざみになっている。この表は明らかに、学生の体力測定を意識したものであり、高校生までの期間を重視して作られている。
さらに19歳から20歳になるときに、握力の急激な増加が出ているのだが、成人に近くなる年齢と、成長期は異なる。この急激な握力の変化はかなりおかしい。
さらに、握力のピークが男性では30代後半、女性では40代後半となっているのだ。一般的に30歳を境にして体力は、落ちる方向にある。
なので、これらの年代でピークとなっているのは、明らかに運動を続けている方々が、中心となって計測に参加している。
これらから、平均握力の表そのものに信頼がおけないのだ。
中央値ではなく平均値を使っている
そもそも握力の「平均値」である。
「平均」とはすべてのデータを足して、データの数で割ったものであり、握力は体や手の大きさ、測定器の差異により、異常値が出やすい傾向があるのだ。
要するに平均値を使うと異常に高い値が出たり、異常に低い値が出たりする。
しかし「中央値」はデータを小さい順に並べたデータの、ちょうど中央にあるデータのことであり、こちらは異常値に揺さぶられない。
中央値をデータとして使っていない地点で、統計学的にあまり信頼がおけなくなる。握力を平均で出していること自体、おかしいのである。
測定器が統一されていない
握力の測定器には様々なものがあり、統一がされていない。
だから使いやすいもの、使いづらいもの、学校で指定があるもの、ないものなど、そもそも同一の条件下で測定されたものではない。
握力の測り方に関しては、詳細な説明があるのだが、測定の際、どの測定器を使うかに関しては、厚生労働省の説明にすら、書かれていない。
これも、平均握力がおかしいと言われる理由の一つである。
握力平均の口コミ
17歳から19歳までは横ばいなのに、20歳を超えた瞬間に握力が強くなっている
トレーニングジムなど健康な方が多いところで調査が行われている
年齢が上がるにつれて体力に自信のない方はあまり調査に参加されていない
男性では35~39歳、女性では45~49歳でもっとも握力が高くなる
19歳までは無作為に集められた平均が取れているが、成人以降は被験者に偏りがある
握りやすくなれば、力も入りやすくなるので記録も伸びる傾向があります
手が大きいほど、握力の数値が高くなる
体重が重い人ほど握力は強いので体重も関係あります。
まとめ
今回は平均握力に関しておかしいのか、おかしくないのか、口コミを入れながら調査・考察した。
結果として、平均握力の表そのものに違和感があり、中央値ではなく平均値を使っており、測定器の統一がなされてないという3点から、平均握力はおかしい、と結論づけることができる。
しかし学生に焦点を当て、表を作っている部分は、学生の成長のために必要不可欠である。
そして現状様々な測定器が販売されている中で、その規格の統一は中々難しいものである。これからどう変わってゆくのか、非常に興味のある分野である。